朝起きたら指が曲がったまま伸ばせない、指の付け根が痛い、伸ばすときに引っかかる等
心当たりのある方は、ばね指の可能性があります。
(筋骨格系のキネシオロジー原著第2版より引用)
上図は手のひらの組織図です。指を曲げる動きは腕にある筋肉が収縮し、その力を腱が伝え指が曲がります。
力を上手く伝えるために腱周囲には腱鞘と呼ばれる、滑りを良くしたり抑えたりする組織が存在し、ばね指は腱や腱鞘、滑膜といった組織が炎症を起こし(腱滑膜炎・腱鞘炎)進行すると、腱や腱鞘が肥厚し引っ掛かるといったことが生じます。
特に上図のA1(輪状滑車)の部分は狭くなっており、原因になる事が多いです。
更年期、妊娠出産期の女性に多く、手の使い過ぎ、スポーツによるもの、糖尿病(アミロイド沈着)等によっても発生しやすいです。
肝心の治療ですが、いきなり手術になるような事は殆どなく、ストレッチや筋トレ、腱の滑走改善を目指し保存療法(病院では注射や投薬等も)を行い、症状の改善に乏しかったり、再発を繰り返すようなら手術を選択する場合があります。
当院は整骨院(接骨院)のため保存療法のみとなりますが(注射、投薬は病院のみです)、手術を考えられてる方や手術をしたくないと思われている方は是非一度ご相談ください。
当院での治療をされた方の一例を動画でご紹介
右中指(第三指)のばね指
起床時中指が曲がったまま伸びない(左手を使って引っ張って伸びる)・指の付け根が痛む・雑巾が絞れない・包丁を持つと痛む
施術前(来院時)
約2か月施術継続
痛みや強い引っ掛かりは殆どなくなりましたが、動画で分かるように指を伸ばすときにまだ中指だけが遅れている事がわかります。あと本人の痛みが出るのではないかと不安感もあり、まだまだ滑走性の改善や無意識に手指を使えるようにしていかなければなりませんね。
ばね指は痛みや引っ掛かりで自然と指を無理に動かさないようにしてしまいます、指は1本だけ動かさないようには殆ど出来ず、他の指も一緒に動くのが自然な動きです。なので痛みや引っ掛かりに対して指を動かさないようにすると、患部以外の指の動きも悪くなってしまうので患部外のトレーニングや他指の施術も重要になってきます。
放置はせず早めに受診をすることをお勧め致します。
途中でもお伝えしましたが、必ず引っ掛かりがなくなるとは限りません。
時には手術が必要な事もあります。そして手術することが悪い事はないです。
病院に勤めていた際も、手術後でも時間はかかる場合もありますがしっかりとリハビリをしていけば改善していきますので、医師の方とご相談する事が大事です。